高比剛性・低熱膨張・高振動減衰を実現するCFRPハニカムパネル
当社は、独自開発のCFRPハニカムコアを用いたハニカムパネルを提供しています。このパネルは、従来のアルミコアや石材、セラミックに対して非常に高い比剛性を誇り、躯体構造の軽量化を実現します。特に、梁やビーム、リブ構造を効果的に補強することで、装置のたわみや歪み、反りを抑制することで、装置の軽量化に寄与します。
さらに、CFRPハニカムパネルは高い振動減衰性(タンデル損失係数の向上)を持ち、アルミ製躯体と比較して振動減衰時間を約1/3に短縮可能です。この特性により、高速・高加減速駆動を行うXYステージ等の整定時間を短縮し、生産性の大幅な向上を実現します。
また、一般的なCFRP積層板では厚み方向の熱膨張率(CTE)が樹脂と同等の高い値となりますが、当社のCFRPハニカムパネルは厚み方向に繊維が配向された設計により、厚み方向のCTEを劇的に低減。これにより全方位での寸法安定性が向上し、長期にわたる変形や反りを抑制します。


高精度な平面加工技術

CFRPの平面加工は、異方性や積層構成のミラー対称性の崩れによる反りやたわみが発生しやすく、平面度10μm以下、平行度や真直度、直角度の高精度加工は非常に困難です。
当社では、CFRP表面に加工犠牲層を設ける独自技術を開発。加工犠牲層はCFRPと同等のCTEを持つ材料を採用し、熱膨張率の差による変形を抑制しています。
さらに、寸法安定性の高い接着剤と最適な接着条件により、反りや歪みの発生を最小限に抑え、高精度な平面度・平行度を実現しています。
吸湿対策による長期寸法安定性の確保

CFRPの樹脂成分は吸湿により経時的な変形や膨張を引き起こすことが知られています。当社はFML(ファイバーメタルラミネート)技術を活用し、吸湿による変形を大幅に抑制。高温多湿環境下でもFMLを有する製品はほとんど変形せず、長期にわたる寸法安定性を確保しています。
この技術は、基準器や測定器、治具など高精度部品の躯体に最適であり、吸湿によるたわみや反り、歪みを防止します。また、高比剛性特性と併せて、高精度かつ生産性が要求されるXYステージの躯体、フレームとして最適です。
接着信頼性の向上と異種材料接合技術
CFRPは金属など異種材料との接合が多く、接着信頼性が製品の性能を左右します。
当社では、CFRPの異方性面や異種材料との接合に最適な接着剤を選定し、接着強度と寸法安定性の両立を追求。経時変化や吸着特性も考慮した接着条件を検証し、高精度なフレームや装置の躯体構造を実現しています。


CTE(熱膨張率)調整技術による最適設計

当社はFML技術により、高比剛性と極めて低いCTE(-0.1×10^-6 /K)を両立した材料を開発。ヤング率や比重(密度)の面でも他の低熱膨張材料を凌駕します。
さらに、CFRPの繊維体積率(Vf)を独自に調整することで、CTEを連続的に制御可能。限りなくゼロに近い熱膨張率が求められる装置の躯体やビーム、リブ構造の設計に最適です。
CFRPの最適設計とシステムソリューション
当社は解析技術を駆使し、CFRPの異方性を最大限活かした最適設計を実施。吸湿による経時変化の解析も可能です。
さらに、CFRPを組み込んだ装置の性能を最大化するため、モーターやエアベアリング、制御・センシング技術の開発も推進。システム全体での高精度・高速・高加減速性能向上を実現し、生産性向上に貢献します。
